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造形計画 Visual Planning

1.「造形計画」とは?

地面を見上げる

正五角形の青空をつくる

「造形 plastic, plastique 」は、ギリシャ語の語源 "πλαστικός, plastikos"が示すように、 「可塑的」 つまり「自らは形を持たず、形を与えられうるもの capable of being shaped or molded」に関わる制作活動です。
代表的な可塑的材料としては絵具や粘土があげられます。「造形計画」は、絵画や立体などの通常の造形活動に加え、ひと・もの・ことの関係性からなる社会システムや、それらを規定している意味や価値も、同じように変形可能な 「可塑的なもの」 として捉えます。
すなわち「造形計画」は、私たちの知覚や認識を含めた既存のシステムや現実を、流動的で可塑的な状態にさし戻し、新たな関係性や価値・意味の発見と創出の可能性を探る創作・研究活動です。
とりわけ過剰な情報化社会に対して、人間と物質・身体と環境の関係を重視し、環境や場所性と関わる視覚芸術の原理と方法を実践的に研究しています。

2.「造形計画」の目的

1)教育面: 美術・デザイン・工芸といった区分の手前で、日常の経験や認識に創造的に関わる多様な「造形」的アプローチを探ります。京都市立芸術大学美術学部の共通教育科目の一つです。
他大学や美術館等の関係機関で授業やワークショップを行うこともあります。
・写真右上:地面を見上げるツアー
・写真右下:正五角形の青空をつくる

2)研究面: 日常を「芸術」化し、「芸術」を社会化する可能性を探ります。作品制作からアートプロジェクト、デザイン、ワークショップ、理論研究まで、多様な内容にわたります。

シラバス Syllabus 2015

■造形計画1-A

【授業目標】 造形計画1は、20世紀の美術とデザインから、重要な芸術表現上のテーマや方法論を抽出し、その「演奏(=解釈と創造的読解)」を通して、新たな表現の可能性を探る実験的な研究・制作を行う。

【授業概要】 [20世紀美術を演奏する・その1]
20世紀美術において重要な役割を果たしたさまざまなアイデアや方法を「楽譜(スコア)」と見立て、自ら「演奏」することを通して、現代芸術の原理的批判的理解と新たな表現への展開を図る。「同じアイデアだって、実際にやってみるとみんなちがったふうになる」(ブルース・ナウマン)

【授業内容】【1】イントロダクション〜「スコア」としての作品とその「演奏」について/ 【2】【3】【4】演奏1:キュビスムを演奏する〜ギターのレッスン(1)(2)(3) /【5】【6】【7】演奏2:デュシャンを演奏する〜レディメイド(1)(2)(3) /【8】【9】演奏3:出会いの偶然〜音楽的誤植(1)(2) /【10】【11】演奏3:出会いの偶然〜ミシンとこうもりがさ(1)(2) /【12】【13】【14】演奏4:ゆれる原基(1)(2)(3) /【15】自由演奏会、総括、ディスカッション

■造形計画1-B

【授業概要】 [20世紀美術を演奏する・その2]
前期に引き続き、20世紀美術において重要な役割を果たしたさまざまな概念や方法を「楽譜(スコア)」と見立て、それらを自ら「演奏」することを通して、現代美術の原理的理解と新たな表現への展開を図る。

【授業内容】【1】イントロダクション〜「スコア」としての作品とその「演奏」について / 【2】【3】【4】演奏5:未開へ/未開から(1)(2)(3) /【5】【6】【7】演奏6:ガラスの遅延(1)(2)(3) /【8】【9】【10】演奏7:アンフラマンス(1)(2)(3) /【11】【12】演奏8:フルクサスを演奏する〜スコアをつくる(1)(2) /【13】【14】演奏8:ハイ・レッド・センターを演奏する(1)(2) /【15】自由演奏会、総括、ディスカッション



■造形計画2-A

【授業目標】造形計画2は、美術/デザイン/工芸といった区分の手前で、日常のありふれた経験や環境との関係から新たな認識と表現の可能性をひき出す方法を探り、芸術と生活、芸術と社会の新たな接続をはかることを目標とする。

【授業概要】[Gゼミ_version 2]
人間のあらゆる行為に先行して存在し、知覚や認識を含め、新羅万象を条件づけているものを"G"とする。"G"は、重力や光のような宇宙的次元から、水、土、風、雨、地形のような大地的次元、言語や社会制度のような人為的次元まで多岐にわたる。この授業では、そうしたGに関わる術として芸術の再定義を試みる。

【授業内容】【1】イントロダクション—"G":あるいは芸術のリソースについて /【2】NO-W-HERE〜「ここ」は「どこ」か? 地球という惑星へ /【3】G-1 重力(1)「微小重力環境のライナスの毛布」について /【4】G-1 重力(2)上と下_上へ/【5】G-1 重力(3)上と下_下へ /【6】G-1 重力(4)落下する /【7】G-1 重力(5)落とし者 /【8】プレゼンテーションとディスカッション /【9】G-2 地/形(1)原地形へ/【10】G-2 地/形(2)道の現象学/【11】G-2 地/形(3)いつもとちがう道/【12】G-2 地/形(4)〜に沿って/【13】G-2 地/形(5)100mを置換する/【14】G-2 地/形(6)幾何学の起源/【15】プレゼンテーションとディスカッション、総括

■造形計画2-B

【授業概要】[Gゼミ_version 2]
人間のあらゆる行為に先行して存在し、知覚や認識を含め、新羅万象を条件づけているものを"G"とする。"G"は、重力や光のような宇宙的次元から、水、土、風、雨、地形のような大地的次元、言語や社会制度のような人為的次元まで多岐にわたる。この授業では、そうしたGに関わる術として芸術の再定義を試みる。

【授業内容】【1】イントロダクション——"G"、あるいは芸術のリソースについて/【2】G-3 光(1)眼の誕生/【3】G-3 光(2)明・暗・顕・漠/【4】独自メディアをつくる/【5】「本」とは何か/【6】「ブックアート Book Art/Artist Book/Livre d'artiste」とは何か/【7】現代美術とブックアート/【8】ブックアート〜事例研究(1)/【9】ブックアート〜事例研究(1)/【10】ブックアート〜事例研究(1)/【11】【12】【13】【14】ブックアート〜制作と展開(1)〜(4)【15】総括



■現代芸術論2

【授業目標】 現代美術の方法的基盤となった20世紀美術におけるさまざまな造形思考を,単なる知識や情報としてではなく,批判的に展開可能な生きた原理として捉え,表現者として必要な歴史感覚や実践的な方法意識を養う。

【授業概要】[態度がかたちになるとき]
1969年にベルンで開催された「態度がかたちになるとき」展が昨2013年ベネチアで再現された。この授業では、この展覧会に集約されたポスト・ミニマリズム、コンセプチュアル・アート、プロセス・アートなど60年代美術における作品概念の変化を具体的に取り上げ、現代美術の基礎的問題意識をさぐる。

【授業内容】【1】イントロダクション/【2】「態度がかたちになるとき」展をめぐって/【3】態度がかたちになるまえに(1)【4】態度がかたちになるまえに(2)/【5】作品の非物質化(1)1966/【6】作品の非物質化(2)1967/【7】作品の非物質化(3)1968/【8】作品の非物質化(4)1969/【9】作品の非物質化(5)1970/【10】作品の非物質化(6)1971/【11】態度がかたちになったあと(1)/【12】態度がかたちになったあと(2)/【13】態度がかたちになったあと(3)/【14】態度がかたちになったあと(4)/【15】総括

■現代芸術論3

【授業目標】 現代美術の方法的基盤となった20世紀美術におけるさまざまな造形思考を,単なる知識や情報としてではなく,批判的に展開可能な生きた原理として捉え,表現者として必要な歴史感覚や実践的な方法意識を養う。

【授業概要】[ボイスとボイス以後の芸術と社会]
芸術概念を拡張し、「すべての人間は芸術家だ」として「社会彫刻」を唱えたヨーゼフ・ボイスの芸術と思想を捉え直し、ボイス以後の社会に関わる芸術のあり方を考察する。

【授業内容】【1】イントロダクション/【2】【3】【4】【5】ボイス芸術の歩み1〜4/【6】【7】【8】【9】【10】エンデ+ボイス『芸術と政治をめぐる対話』を読む1〜5/【11】【12】【13】【14】ボイス以後の芸術と社会1〜4/【15】ディスカッションと総括



■造形計画特講(大学院修士課程)

【授業目標】 造形計画は,美術・デザイン・工芸といった既存領域の区別の手前で,日常のモノ・行為・場所の中に創造的な知覚と表現の契機を探り,芸術と日常の新たな接続を実践/思考することを目標とする。

【授業概要】 [ワークショップ研究]
異なる分野で創作活動を行う者が集う場という特質を活かし,異質な視点・感性・思考が実践を通じて相互に交流触発しあう場を創出する。具体的には受講者各自が自己の制作に関わる関心事からテーマや課題を提出し,それをめぐって全員がワークショップ形式で実験/共同研究を行う。

【授業内容】【1】 ガイダンス:なぜワークショップか?/【2】【3】ワークショップ・デモンストレーション1〜2/【4】ワークショップ課題の検討とディスカッション/【5】【6】【7】【8】実行計画の策定/実験と研究1〜4/【9】ワークショップ課題の検討とディスカッション/【10】【11】【12】【13】【14】実験と研究5〜8【15】全体総括


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シラバス Syllabus 2014

■造形計画1-A

【授業目標】 造形計画1は、20世紀の美術とデザインから、重要な芸術表現上のテーマや方法論を抽出し、その「演奏(=解釈と創造的読解)」を通して、新たな表現の可能性を探る実験的な研究・制作を行う。

【授業概要】 [端にふれる・その1]
端(はし)とは、ある広がりをもった事象の終わるところ、そのもっとも外側を規定する境界である。モダニズム以降の芸術は、つねに自らの「端」を問うてきた。この授業では、20世紀芸術におけるさまざまな「端」への取り組みにランダムアクセスしながら、「端」を問うことの可能性を開拓したい。

【授業内容】【1】 はじめに:なぜ「端」か?/【2】イメージの「端」にふれる1:地と図/【3】イメージの「端」にふれる2:地と図/【4】絵画の「端」にふれる1:「パレルゴン」について/【5】絵画の「端」にふれる2:キュビスムを「演奏」する/【6】演習と発表1/【7】絵画の「端」にふれる4:画面・壁・空間/【8】絵画の「端」にふれる5:画面・壁・空間/【9】絵画の「端」にふれる6:画面・壁・空間/【10】演習と発表2/【11】彫刻の「端」にふれる1:台座の考察/【12】彫刻の「端」にふれる2:「端」のない柱/【13】彫刻の「端」にふれる3:広場の壁/【14】演習と発表3/【15】総括:「端」の見方/味方

■造形計画1-B

【授業概要】[端にふれる・その2]
前期に続いて、造形表現における端(はし)の問題にランダムアクセスする。哲学や人類学・生態学にも射程を広げ、講義・演習・発表を組み合わせながら、自己、事物、作品、空間における「端」の問題に取り組む

【授業内容】【1】はじめに:なぜ「端」か?/【2】「端」の哲学:「ホーリスモス」をめぐって/【3】実験と研究(1)事物の「端」にふれる/【4】実験と研究(2)自分の「端」にふれる/【5】実験と研究(3)コーナーへ/【6】実験と研究(4)正五角形の青空をつくる/【7】空間とその「端」(1)日本の建築空間における「端」/【8】空間とその「端」(2)空間の比較人類学/【9】空間とその「端」(3)空間の比較人類学/【10】「端」の研究と報告(1)演習/【11】「端」の研究と報告(2)演習/【12】「端」の研究と報告(3)演習/【13】「端」の研究と報告(4)演習/【14】「端」の研究と報告(5)演習/【15】総括:「端」の見方/味方(2)



■造形計画2-A

【授業目標】造形計画2は、美術/デザイン/工芸といった区分の手前で、日常のありふれた経験や環境との関係から新たな認識と表現の可能性をひき出す方法を探り、芸術と生活、芸術と社会の新たな接続をはかることを目標とする。

【授業概要】[読めるものと読めないもの_その1]
言葉・文字・イメージ・空間と時間の関係、見ることと読むことの関係を、文字を焦点としたさまざまな考察と実験を通して探る。

【授業内容】【1】イントロダクション—読むことと見ること/【2】点・線・文字(1)/【3】点・線・文字(2)/【4】近・現代美術における文字とイメージ(1)/【5】近・現代美術における文字とイメージ(2)/【6】「もじ・もじ」〜文字モチーフによる実験制作と発表(1)/【7】タイポグラフィの基本/【8】モダン・タイポグラフィの展開/【9】タイポグラフィの現在/【10】コンクリート・ポエトリー(1)/【11】コンクリート・ポエトリー(2)/【12】「文字」をみつける(1)/【13】「文字」をみつける(2)/【14】「もじ・もじ」〜文字モチーフによる実験制作と発表(2)/【15】総括

■造形計画2-B

【授業概要】[読めるものと読めないもの・その2]
前期に続いて、読むことと見ることの創造的関係を手探りする。後期は特に「ブックアート Book Art」と呼ばれる芸術形式の可能性を歴史的考察と実験制作を通して探求する。エディトリアル・デザインの基礎にも実践的にふれる。

【授業内容】【1】イントロダクション:読めるものと読めないもの/【2】エディトリアル・デザインのABC(1)/【3】エディトリアル・デザインのABC(2)/【4】独自メディアをつくる/【5】「本」とは何か/【6】「ブックアート Book Art/Artist Book/Livre d'artiste」とは何か/【7】現代美術とブックアート/【8】ブックアート〜事例研究(1)/【9】ブックアート〜事例研究(1)/【10】ブックアート〜事例研究(1)/【11】【12】【13】【14】ブックアート〜制作と展開(1)〜(4)【15】総括



■現代芸術論2

【授業目標】 現代美術の方法的基盤となった20世紀美術におけるさまざまな造形思考を,単なる知識や情報としてではなく,批判的に展開可能な生きた原理として捉え,表現者として必要な歴史感覚や実践的な方法意識を養う。

【授業概要】[態度がかたちになるとき]
1969年にベルンで開催された「態度がかたちになるとき」展が昨2013年ベネチアで再現された。この授業では、この展覧会に集約されたポスト・ミニマリズム、コンセプチュアル・アート、プロセス・アートなど60年代美術における作品概念の変化を具体的に取り上げ、現代美術の基礎的問題意識をさぐる。

【授業内容】【1】イントロダクション/【2】「態度がかたちになるとき」展をめぐって/【3】態度がかたちになるまえに(1)【4】態度がかたちになるまえに(2)/【5】作品の非物質化(1)1966/【6】作品の非物質化(2)1967/【7】作品の非物質化(3)1968/【8】作品の非物質化(4)1969/【9】作品の非物質化(5)1970/【10】作品の非物質化(6)1971/【11】態度がかたちになったあと(1)/【12】態度がかたちになったあと(2)/【13】態度がかたちになったあと(3)/【14】態度がかたちになったあと(4)/【15】総括

■現代芸術論3

【授業目標】 現代美術の方法的基盤となった20世紀美術におけるさまざまな造形思考を,単なる知識や情報としてではなく,批判的に展開可能な生きた原理として捉え,表現者として必要な歴史感覚や実践的な方法意識を養う。

【授業概要】[ボイスとボイス以後の芸術と社会]
芸術概念を拡張し、「すべての人間は芸術家だ」として「社会彫刻」を唱えたヨーゼフ・ボイスの芸術と思想を捉え直し、ボイス以後の社会に関わる芸術のあり方を考察する。

【授業内容】【1】イントロダクション/【2】【3】【4】【5】ボイス芸術の歩み1〜4/【6】【7】【8】【9】【10】エンデ+ボイス『芸術と政治をめぐる対話』を読む1〜5/【11】【12】【13】【14】ボイス以後の芸術と社会1〜4/【15】ディスカッションと総括



■造形計画特講(大学院修士課程)

【授業目標】 造形計画は,美術・デザイン・工芸といった既存領域の区別の手前で,日常のモノ・行為・場所の中に創造的な知覚と表現の契機を探り,芸術と日常の新たな接続を実践/思考することを目標とする。

【授業概要】 [ワークショップ研究]
異なる分野で創作活動を行う者が集う場という特質を活かし,異質な視点・感性・思考が実践を通じて相互に交流触発しあう場を創出する。具体的には受講者各自が自己の制作に関わる関心事からテーマや課題を提出し,それをめぐって全員がワークショップ形式で実験/共同研究を行う。

【授業内容】【1】 ガイダンス:なぜワークショップか?/【2】【3】ワークショップ・デモンストレーション1〜2/【4】ワークショップ課題の検討とディスカッション/【5】【6】【7】【8】実行計画の策定/実験と研究1〜4/【9】ワークショップ課題の検討とディスカッション/【10】【11】【12】【13】【14】実験と研究5〜8【15】全体総括


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シラバス Syllabus 2013

■造形計画1-A

【授業目標】 造形計画1は、20世紀の美術とデザインから、いくつかの重要な芸術表現上のテーマや方法論を抽出し、その「演奏(=解釈と創造的読解)」を通して、新たな表現の可能性を探る実験的な研究・制作を行う。

【授業概要】[dis-placement]
置換(置き換え dis-lacement、déplacement)は、ロマン主義的な「表現」とは異なる20世紀芸術の一つの位相であり、制作概念である。この授業では、この概念の「演奏」を通じて、身近な風景や場所の経験を造形的に変換することを試みる。

【授業内容】 さまざまな置換(dis-place-ment)/NO W HERE——「ここ」はどこか? 芸術は隕石にあこがれる?/置換のレッスン/風景とその<穴>/「地/図」/大枝飛行/100mを置換する/ロバート・スミッソンの「場所(site)と非場所(nonsite)の弁証法」をめぐって/場所を置換する/発表とディスカッション/"dis-place-ment"の術としての芸術

■造形計画1-B

【授業概要】[dis-placement]
前期に引き続き、20世紀芸術から制作概念としての「置換 displacement、déplacement)」を抽出し、さまざまに「演奏」する。後期は特に「移行」に焦点をあて、「歩く」といったありふれた経験の造形的変換を試みる。

【授業内容】 置換(dis-placement)をめぐって/「道」の現象学/「道」と「風景」の生成/「道」をみつける/30分旅行する/〜に沿って歩く/「ガイド」とは何か/歩行ガイドをつくる/ガイドツアー/"dis-placement"の術としての芸術



■造形計画2-A

【授業目標】 造形計画2は、美術/デザイン/工芸といった区分の手前で、日常のありふれた経験や環境との関係から新たな認識と表現の可能性をひき出す方法を探り、芸術と生活、芸術と社会の新たな接続をはかることを目標とする。

【授業概要】 [階段 その1]
階段は人間が垂直方向に移動するためにつくられる人工物である。だがそもそも階段とは何か。上った先、降りた先には何があるのか。本授業では階段を現象学的に問うことからはじめ、さまざまなフィールドワークや美術・建築における事例研究を通じて、階段がはらむ芸術的可能性を探求する。

【授業内容】 序:月に階段はない〜「階段」とは何か?/階段を体験する〜梯子と階段・純粋階段/階段の現象学へ(1)〜身体・樹木・大地/階段の現象学へ(2)〜身体・建築・都市/階段のフィールドワーク〜下へ/階段のフィールドワーク〜上へ/階段のフィールドワーク〜発表/芸術と階段〜美術/芸術と階段〜建築/階段のフィールドワークと発表/階段に「介入」する〜階段の詩学のために

■造形計画2-B

【授業概要】 [階段 その2]
前期に引き続き、階段を現象学的に問うことからはじめ、さまざまフィールドワークや美術・建築における事例研究、さらに階段を実際につくることを通して、階段がはらむ芸術的可能性を探求する。

【授業内容】序:階段とは何か?/階段のフィールドワーク〜上へ/階段のフィールドワーク〜下へ/階段の詩学へ〜階段への介入を通して/階段をつくる〜計画/階段をつくる〜中間発表/階段をつくる〜制作/階段をつくる〜発表/芸術と階段〜美術/芸術と階段〜建築/総括〜階段のPoietique



■現代芸術論2

【授業目標】 現代美術の方法的基盤となった20世紀美術におけるさまざまな造形思考を,単なる知識や情報としてではなく,批判的に展開可能な生きた原理として捉え,表現者として必要な歴史感覚や実践的な方法意識を養う。

【授業概要】 第2次大戦後、1940年代半ばから1960年代にいたる実験的な美術表現の展開を、思想的・社会的背景も視野に入れながら、具体的な作品と理論に即して考察していく。日本の動向も取り上げる。

【授業内容】イントロダクション/肉と物質〜ヨーロッパの戦後美術/絵画のフロンティアへ〜アメリカン・モダニズム/グタイ的に〜日本の戦後美術/青と白/キャンベル・キャンベル・キャンベル

■現代芸術論3

【授業目標】 現代美術の方法的基盤となった20世紀美術におけるさまざまな造形思考を,単なる知識や情報としてではなく,批判的に展開可能な生きた原理として捉え,表現者として必要な歴史感覚や実践的な方法意識を養う。

【授業概要】 現代芸術論2に引き続き、1960年代半ば以降、現代につながる美術表現の展開を、思想的・社会的背景も視野に入れながら、具体的な作品と理論に即して考察する。

【授業内容】 イントロダクション/沈黙と出来事/フルクサス〜芸術の日常化と日常の芸術化/日常を攪拌する/コ、コンセプチュアル?/ミニマル・アートの制作哲学/アスファルト・ランダウン/ランドアートの展開/態度がかたちになるとき/人間と物質



■造形計画特講(大学院修士課程)

【授業目標】 造形計画は,美術・デザイン・工芸といった既存領域の区別の手前で,日常のモノ・行為・場所の中に創造的な知覚と表現の契機を探り,芸術と日常の新たな接続を実践/思考することを目標とする。

【授業概要】 [ワークショップ研究]
異なる分野で創作活動を行う者が集う場という特質を活かし,異質な視点・感性・思考が実践を通じて相互に交流触発しあう場を創出する。具体的には受講者各自が自己の制作に関わる関心事からテーマや課題を提出し,それをめぐって全員がワークショップ形式で実験/共同研究を行う。

【授業内容】 ガイダンス:なぜワークショップか?/ワークショップ・デモンストレーション(1)(2)/ワークショップ課題の検討とディスカッション/実行計画の策定/実験と研究(1)〜(9)/全体総括